売掛金とは何か簡単に解説します。
会社やお店が商品を顧客に販売する際、顧客との信頼関係により、「代金の支払いは後でいいですよ」と取り決めをして売買をします。このとき、会社やお店から顧客に販売した売上代金でまだ回収されていないお金のことを売掛金といいます。別の言い方をすると、顧客から後で代金をもらえる権利とも言えます。
例えば、代金の支払いは末締めの翌月末に支払いの取り決めの場合で考えてみます。
1月1日に税込11,000円で顧客Aに商品を売上
1月15日に税込22,000円で顧客Aに商品を売上
2月末に顧客より1月分代金33,000円が支払われた。
このとき、取引時点の売掛金を計算してみると、次のようになります。
1月1日の時点→11,000円
1月15日時点→33,000円(11,000円+22,000円)
2月末時点→0円(全て支払済のため)
このように売掛金はある一時点の数字を表すものとなります。
貸借対照表の資産の部に記載されることとなります。
なお、売掛金には税込や税抜という考えはありません。あくまで、その時点でまだ支払われていないお金の残高を表します。
もうひとつ例をあげると、先程の1月の売上合計33,000円に対して、2月末に金額を誤って顧客から23,000円が支払われたとします。
このとき、2月末時点の売掛金は、33,000円-23,000円=10,000円
となります。
この10,000円は税込みも税抜も関係ない、2月末時点でまだ回収されていない残高ということがわかります。
売掛金は資産であるため、残高が増えると資産が増えていき、一見良いように見えますが、売掛金が増えるということは代金の回収がされていない部分が増えることを意味するため資金繰りを考えるとよい状態とは言えません。
例えば、毎月ある顧客に末締めの翌月末払いの取り決めで商品を税込33,000円で販売するとします。1月に販売を開始したとして、毎月33,000円で販売を続けるとします。このとき12月末の売掛金の適正な残高はいくらでしょうか。
適正な残高は、33,000円です。販売月の翌月末にはその代金は回収されていないといけないので、12月に販売した売上代金のみが残高として計上されているのが正常値となります。もし、12月末で66,000円の売掛金残高が残っているならば、11月末に支払うべきものが支払われていないなど、支払いの遅れているものがあることを意味します。
この売掛金の残高を顧客別にこまめに把握することで、代金の回収漏れに気づくことができます。損益計算書だけをみていると、売上高は基本的に代金の回収に関係なく発生主義で計上するため把握できますが、その売上代金が回収がされているかを見ることはできないので、売上高と売掛金をセットで確認すると良いかと思います。
売掛金のイメージを掴んでいただけたでしょうか。解説は以上となります。最後までお読みいただきありがとうございます。失礼します。
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