はじめに
本書は、これからはじめて簿記を学んでみようという方向けに簿記の基本的な部分を知ってもらえるよう家計管理の身近な例をもとに書くことにしました。簿記をやったことがあるけど、いまいちわからなかったという方にも読んでもらえると有難いです。
私自身、簿記を勉強始めたころは何がどうなってこうなるのか、さっぱりわからない時期がありました。しかしあるとき簿記がわかるようになった瞬間がありました。自身の経験も踏まえ、わからないからわかるようになったプロセスもお伝えできたらいいなと思います。表面的な知識やテクニックではなく、仕組みそのものがわかるようになると世界が広がり楽しいものです。
また、簿記というものは基本的に会社やお店など商売の世界で当然のように使われているものですが、日々の生活で家計管理の場面でも活用することができます。簿記を学び、各家庭でも身近に使われるきっかけになれば幸いです。
簿記を家計管理に役立てるメリットは、簿記を使って一定の方式で管理していくと、家計の状況が一目でわかるようになることだと思います。
具体的には、今月の収入と支出や財産や借金の残高などを別々に集計することなく一度にリアルタイムでわかるようになります。
最初に断っておきますと、この本は簿記の専門書ではありません。本当に基礎の基礎部分を、最低限の専門用語に抑えつつ手取り足取り解説しようと試みた内容となっています。わかりやすさを重視するため、簡略化している部分も多くあります。揚げ足取りはご勘弁くださいませ。
この基礎がわかれば難しい簿記の内容までとことん応用ができると思います。もっと深く簿記の世界を知りたい方は専門書もお読みください。本書はその橋渡しができるといいなと思います。簿記はとっつきにくいけれど、意外とシンプルで面白いものと納得いただけると幸いです。
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